子宮内膜症
子宮内膜症は子宮の内側にあるべき内膜が、他の場所へあちこちと移ってしまい発育してしまう病気です。おもに子宮筋や卵管、卵巣、骨盤腹膜、膣、膀胱などに移ってしまいますが、良性の病気なのであまり心配はいらないようです。
しかし、子宮以外のほかの場所で発育した子宮内膜は、本来の子宮内膜同様、生理の時にははがれて出血しています。そしてその出血がたまっていき血腫になったり、チョコレートのう腫と呼ばれるものができてしまうのです。このため癒着を起こしてしまったり、不妊症の原因になってしまうこともあるようです。
この子宮内膜症は30~40歳台によくみられる病気です。生理痛が年齢とともにひどくなってきた場合は子宮内膜症を疑って、診察をうけられたほうがよいでしょう。ほうっておいても閉経時には治ってしまいますが、チョコレートのう腫ができてしまっていると生理のたびに痛みがあり、年々その痛みは強くなっていきます。
子宮内膜症の症状は生理痛、膀胱痛、排便痛、直腸出血、月経過多や性交時の痛みなどがあります。
子宮内膜症の治療はホルモン療法で人工的に閉経(擬似妊娠)の状態を4~5ヶ月つくり、その間に患部を萎縮させて吸収してしまいます。子宮がすでに肥大していたり、チョコレートのう腫がでできてしまっている場合には、子宮を摘出する手術が行われることもあるようです。